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『「コツコツ投資が報われる」って誰が言った』記者の言うことは正しい。だけど。

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2017年3月2日付の日経ビジネスONLINEに掲題の記事が載っていました。

「コツコツ投資が報われる」って誰が言った
いま、年金積み立て開始は得策か
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/022800419/?P=1

以下の項目を挙げ、政府や証券各社が掲げる「貯蓄から資産形成」の取り組みに警鐘を鳴らしています。

疑問1 今の株価は買いか?
疑問2 コツコツ投資は現実的か?
疑問3 税制優遇は魅力的か?
アメリカを参考にされても……

多くの投資ブロガーが既に反論記事を書いていおり、それぞれがそれぞれの立場でロジカルな反論を行っていると思います。
ですが、記者が本当に言いたいことはなんなのか。
少し論点がずれているような気がしました。

記者が本当に言いたかったことはこれだと思います。

 アメリカの歴史から学ぶべき教訓は「コツコツ投資は報われる」ではなく「右肩上がりの相場が個人投資家を作る」という事なのかも知れない。



つまり、政府や証券各社、その他金融機関が躍起になって盛り上げようとしている積立NISAやiDeCoの推進は、経済の成長があってこそ成り立つものである。と。

換言すると、
『日本をはじめとした世界経済の経済成長が見込めるのか、しっかりと見据えたうえで、投資を始めよう。
政府や金融機関の口車には乗らないようにね。』
そう呼び掛けているだけと思います。

いや、よく見ると記事の冒頭でもそう言っていますね。
その他の疑問1~3というのはとても経済記者が書いたものだとも思えず、ずばり上記の論理展開を補足するために付加された後付けの反論材料なのではないかとも思います。


そういった意味で、記者の言うことは正しいと思われます。
だから、そこの主張について議論・反論がおきるべきなのですが、あまり論点になっていません。

なぜかというと、個別の論点については、根拠が一つの事象に限ったことだったり、記者の主観だったりするので、ちょっと投資に詳しい人には容易に反論される(ちょっと残念な)レベルだから、そこが炎上してしまうのではないかと。




以下、蛇足
個別の論点について●が記者の主張
疑問1 今の株価は買いか?
●今後の上昇余地が小さいと仮定するならば、株式や、株式で運用する投資信託に投資するメリットは小さいはずだ。
●現在の株高は一時的な現象と見ることもできる。老後資金の形成に向けた20~30年の視点でみると、いま投資を始める必要性はあるだろうか。
⇒いずれも仮定を置いています。実はその仮定に従えば記者の言うことは正しい。ただし、仮定の置き方で何とでも変化できる。

疑問2 コツコツ投資は現実的か?
●長期的なドルコスト平均法は極めてストイックで経済的に合理的な人間を前提としている。NISAやiDeCoをきっかけに投資を始めた人々が、今後30年同じ銘柄に投資を続けるなんて不可能に近い。
⇒ここは少し弱い部分です。前段部分で、30年同一の投資信託を積み立て投資をし続けてきたという、現実としてあり得ない条件を提示し、それを論拠に今後も不可能だと言っているためです。誰も正しいのか正しくないのか分からない、というのが正しいところでしょうか。

疑問3 税制優遇は魅力的か?
●本来積み立てが必要な若くて収入が少ない人ほど、所得控除のメリットは受けにくい。半面、デメリットは大きくでる。必ずしも税制メリットがバラ色の内容というわけでは無い。
⇒iDeCoの所得控除という税制面からみれば記者の言うことは正しい。ただし、年収の仮定の置き方で何とでも変化できる。また、積み立てNISAは?

アメリカを参考にされても……
⇒今回、私が主題としている部分であるが、恐らく記者はこの大項目のことが言いたかったと思われます。そのため、誰からも突っ込まれやすい(あり得ない)仮定を置き、この論点を補強していると思われます。

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