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確定拠出年金法が改正され、2017年1月から原則として全ての人がiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入することができるようになります。

新聞やマネー雑誌などでは、iDeCoブームに乗ろうと、色々と特集記事が組まれています。
FPの先生達も、この機会を逃すまいと、素晴らしい本を出版されたりもしています。
(皮肉っぽい表現ですが、事実です。)

なぜiDeCoを勧めるのか?
それは、何より税制メリットがすごくて、掛金全額が所得控除されるからです。
所得控除は所得税を納めている一般の人に確実に減税をもたらしますので、資産運用を勧めるよりも、間違いがないわけですね。

「iDeCoでは定期預金や保険商品のような元本確保型商品にも投資できます」と一言注意書きをいれておけば、後で文句を言われることもないですから。

確かに、iDeCoの税制優遇はすごいもので、具体例を示すと、あなたの所得税率が20%だったとしたら、年間20万円をiDeCoに積み立てた場合、本来国に納めるはずの税金4万円(20万円の20%相当)が帰ってくる計算になります。

4万円もあれば、好きな服の一着買えてしまうかもしれませんね。
サラリーマンの1ヶ月の小遣いを余裕で上回ります。


しかしです。

私は、敢えてそこで言いたい。


「iDeCoよりもまずは積み立てよと言ってほしい」


投資する対象は、とりあえず何でもいいんだと思います。
投資信託でも個人向け国債でも、極端な話、普通預金でもいいと思います。

まずは積み立てることを勧めて、その上で、iDeCoという制度を勧めてほしい。
iDeCoで老後資産を準備するのは、その次でもいいと思います。

情報発信力のある媒体は、ぜひそのような構成の記事としていただきたい。
「積み立てしない人は、日経新聞やマネー雑誌は読まねーよ」
どこかからツッコミが聞こえてきそうです。

確かにそうです。
でも、だからこそ、このように、大きな制度改正があり、益々注目が高まると思われる中、正論をはいてほしいのです。



最後に、iDeCoに加入する際の注意点を。

iDeCoで積み立てると、原則として60歳まで引き出すことができません。
また、どんなに手数料が低い運営管理機関を選んでも、国民年金基金連合会の手数料が年間2千円かかってしまいます。(正確には2,004円。)

掛金を掛けない運用指図者と呼ばれる人の場合は年間768円かかります。
所得控除なしで768円の管理手数料が取られるのですから、割に合いませんね。

運用中の税金は基本的に非課税ですが、本来的には特別法人税というものが資産残高に対して1.173%もかかります。
現在は凍結中ですが、いつ解除されるかわかりません。
もし特別法人税がかかるようなら、コンマ何パーセントの世界で信託報酬が低いの高いの言ってることは、全くかき消されてしまうくらいインパクトがあります。

また、受取時の税制優遇もよく紹介されますが、40年後の税制なんて誰も保証できません。
特別法人税を凍結ではなく撤廃する代わりに、受取時の税制優遇を縮小するなんてことは容易に想像できますし。



補足
上記の所得控除の部分、住民税等は考慮していません。
住民税は前年の所得額に応じて翌年課税されますので、iDeCoで掛金を拠出した年の税金は安くならず、翌年の住民税が低くなると考えておいてください。